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対談 経験という名の叡智を未来へのチカラに換えて―シーオスが挑む経営改革と4人のアドバイザーたち

経営アドバイザー編
  • 代表取締役社長(写真中央)松島  聡
  • 相談役(写真中央右)伊藤 鉄雄
  • MS事業部アドバイザー・監査役(写真中央左)上杉  潔
  • LEOS事業部アドバイザー(写真左)川野 信夫
  • I2A事業部アドバイザー(写真右)山本 雅史
アドバイザーたち

トヨタ生産方式の申し子から
外資系ベンチャーの立役者まで

松島:シーオスでは「経営」と「執行」をこの2014年から2015年にかけて分けていきたいと考えています。創業メンバーがそのまま経営取締役になっている現状を、もう一度、ゼロベースに戻し、経営者として適切な人を取締役にする。この改革を進めていく中で、今回、アドバイザー制度を刷新して、これまでも経営のアドバイザーとしてご活躍いただいている伊藤鉄雄さん、上杉潔さんに加えてふたりのアドバイザーを迎えました。それぞれ多彩な経営経験をもった皆さんに、執行面をサポートしてもらおうというわけです。
伊藤さんは戦後のトヨタの成長を支えてきた大野耐一スピリットの申し子のような方ですから、全社の経営相談役を、上杉潔さんはテルモで執行役員まで勤め上げた方ですからメディカル(MS)のアドバイザーを、それぞれ引き続きお任せします。加えて、今回新たに、ロジスティクスのほうは、ワコールという伝統ある企業の流通(ワコール流通)で社長まで勤めた川野信夫さんを、最も変化の激しい世界にあるI2Aのほうには、ボストン・サイエンティフィックジャパンという何百億ものビジネスをゼロから仕立て上げた山本雅史さんをアドバイザーに迎えることになりました。まずはそれぞれの自己紹介から、お願いします。

伊藤:シーオスは定年がない、ということになっています。その最高齢社員を創業以来、ずっと私が勤めています。今度誕生日が来れば84歳。それでもシーオスで一緒に仕事させてもらい、月に2度、ここ(東京)に来るのを楽しみにやらせてもらっています。

上杉:私は伊藤さんから見れば、ひよっ子のはなたれ小僧ということになるのですが(笑)今年5月で64歳。58歳のときに何の将来展望もなくテルモを辞めて、農業でもやりながら過ごそうかなと思っていたんですが、一方で、医療の分野でやり残したこともあった。松島さんがメディカルストリーム(シーオスの創業当時の社名)を創業するにあたって思い描いているようなことにも興味がある、と話していたら、それじゃあアドバイザーとしてシーオスに来ないか、と声をかけてもらったんです。この数年は医療業界も変化してきて、MS(メディカルストリーム事業)も当初松島さんが言っていたようなものになっていくのかなと思っていたんだけれども、なかなか厳しいものがあるな、というのが現状。それでも、何とかこのビジネスをまとめて形にしていく力になれればと、微力ながら勤めさせてもらっています。

川野:私はワコール流通の社長を7年ほど勤めていました。本社が滋賀県にあって、関西のアパレル会社の物流関係者が集まる任意団体の会長もしていたのですが、JILS(公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会)の見学会でシーオスの物流センター(川崎ロジポート=当時)を見学する機会があり、そこで松島さんと知り合い、その後も年に2~3回、会うようになりました。そんな中で「川野さんのところからは、何も学ぶことがありません」みたいなことを言われつつ(笑)逆に言うと「こういう風に人を軸に成り立っている物流センターもあるんだなというのは勉強になりました。これはこれでそのまま変えずに続けていいと思います」と言っていただいて。

松島:いや、あのときはあくまでもロジスティクスの専門性から言うと「技術的には」学ぶことはないけれど、と言ったんですよ(笑)

川野:まぁ、そんなわけで(笑)その後も何度となく会うことがあり、いろいろとシーオスが取り組んでいることや、松島さんが考えていることを聴いて、そのたびに少しアドバイスをさせてもらう機会があった。シーオスとワコールとでは、取り組む観点が違うので、少しは参考にしてもらえることもあったのかなと。昨年の8月、61歳でワコール流通を退職したとき、声をかけてもらいました。ロジスティクスに関しては、伊藤さんのような大先輩もいらっしゃいますが、シーオスは若い会社なので、自分が話を聴いて、何かつないでいくことができればと思っています。

松島:伊藤さんには川崎の物流センターで事業改善のお手伝いをしてもらっていますが、川野さんには大阪の事業所もサポートをしてもらいたいと考えています。それから本社の管理本部についてもアドバイスをしてもらうなど、マルチにご活躍いただきたいと思っています。

山本:私は過去40年間、ずーっと外資(系企業)勤務でした。アメリカの会社、ヨーロッパの会社、いろいろ勤めてきて、一番直近はイギリスの会社。日本の会社では1回も働いたことがなくて、骨の髄から外国流の経営を叩きこまれてきました。その40年のうち21年は日本の子会社の社長をしていて、直近、イギリスの会社では、アジアも見させてもらって、オーストラリアのオペレーションなども見てきました。そのときは当然、部下がオーストラリア人で、人の使い方についても随分勉強させてもらいました。特にボストン・サイエンティフィックでは、ホントにゼロからスタートして、6年で(従業員)500人(売上げ)600億くらいまでもっていって、業界では奇跡と言われた。そういう激動の経験をしていますので、シーオスのように若くてダイナミックな成長をしている会社のこともよく分かる。こういうときは「人も足りない、物も足りない」という、成長期の会社独特の悩みが必ずあるんですよね。私はそういう時期にある会社を実際に見て、経験してきましたので、何かお手伝いできることもあるんじゃないかと思っています。

松島:シーオスの経営陣は、私も含めまだまだ経営者としては若くて未熟なところがある。それを日本の大手企業で出世して様々な経験を積まれてきた方から、戦後のトヨタのような激動の時代を勤め上げてきた方、ゼロからベンチャービジネスを立ち上げてきた方まで、皆さんの豊富な経験で補ってもらおうというのが、今回の新しい執行部のアドバイザー制度の趣旨です。皆さんが、それぞれの立場でいろいろな失敗や成功を繰り返して学んできた経験というのは、お金では買えない貴重なもの。どこの本にも書いていないし、ネット検索してもどこにもない。実際に経験しないと分からないことばかりですから、それに基にアドバイスをいただくというのは、とても大事なことだと思っています。

激動の時代にあって次のトヨタになるために

松島:最近、私がよく考えるのは、「自分は何のために生まれてきたのか。なんで会社を経営しているのか。残りの人生で会社の経営で何をしたいのか」ということ。こうしたことに向き合っているうちに、自分の中で覚悟ができた。こんなことを言っては伊藤さんに怒られるかもしれませんが、自分は今の激動の時代にあって、トヨタみたいな会社を創りたいんだ、ということに思い至ったんです。
私は、今、日本が世界に誇れる会社はトヨタしかないと思っています。あの経営手法というかDNAが、世代の代わった今も脈々と受け継がれて、生き続けているというのは凄いことだと。ただ、そのトヨタでさえ、今後グーグルが自動車を作ったらどうなるか分からない。10年後にはウォルマートが脅威になると言っていたイオンやセブンアイにとっては、今やアマゾンが最も大きな脅威になっている。ネットが進化して、世界がこういう激動の変革期を迎えた今、もしかしたら自分は、かつてのトヨタみたいな会社を創れるんじゃないかという希望をもち始めたんです。ここまで創業から13年間で学んできたことと、いろいろな人の知恵を借りて、なおかつ謙虚にもう一度ゼロベースで組織をつくり直して、成長できるようなDNAをつくって、徹底的にやっていけば、今からそれができるんじゃないかと、そういう気がして覚悟を決めた。
そうとなれば当然、創業からのこの経営体制もゼロから見直していかなければいけない。まったくこれまでとはスケールの違うことをやろうとしているわけですから。そのときに、若いからこそ陥る罠はいっぱいあると思うんです。これまで伊藤さんにも、そうした罠を早めにご指摘いただいてきましたが、そういうことはあらゆる経験をしてきた方にしかわからない。この部分をアドバイザーの皆さんに指摘していってもらえればと考えています。

上杉:それを思いつく人はいるかもしれないけれど、実現している人はあまりいない。

松島:それを今回のアドバイザー制度でうまくやっていきたいなと思っているんです。たとえば、ワコールの物流センターに行くと、職場の雰囲気も良いし、安定感があるというか、ほかと違う何かがあるんです。でも、何が違うか、どうしてそうなったのかは、それをつくった本人に直接聞かないと分からないんです。だから、川野さんと一緒に仕事をしていく中で、それを学ばせてもらおうと思っているわけです。

川野:ワコールの物流センターについて言えば、システムはさておき、日常の業務の95%はパートさんの働きによるので、そのメンテナンスが大変ですよね。壁に「笑顔であいさつしましょう!」って貼り紙をしたり、休憩室をしっかり用意したり、3カ月に1回レクリエーションの一環としてボーリング大会や餅つき大会をやったりと、そういうことで常に職場そのものが楽しい、来ることが楽しくなる場所にする。だから、離職率は滋賀県の中でも低いし、口コミで募集したらかなりの応募がある。そういうメンテナンス、職場の雰囲気づくりは必要だと思うんです。

松島:現場の業務が荒れてしまわないような管理は、トヨタの生産調査室のようなやり方でテコ入れをしているんですが、川野さんのおっしゃるような職場環境については、これまで意識的に作り込んできたことがなかったんです。今はそれが必要になっているし、そういう作り込みをゼロからやりたいと思っているところです。

経営者が代わっても
脈々と語り継がれていく「DNA」

松島:山本さんはまだシーオスに来て間もないですが、今、何が必要だと思いますか?

山本:これまでは外の人間としてお付き合いしてきましたが、この会社くらい「人」が重要な要素となっている会社はないでしょ。ソリューションをつくるのも人、運営をするのもすべては人だから、相当人に対して投資をする必要はあるのかなと。私がいた会社もそこには相当お金をかけましたよ。アメリカの会社というと、人材育成にはお金をかけないというイメージもあるかもしれませんが、逆にものすごくお金をかけました。いわゆる幹部学校のようなものをつくって、そこでかなり高レベルのトレーニングをするし、少し前には国際基督教大学の元学長、鈴木典比古さんのような方を招いて、いろいろな研修プログラムをやってきたりもしました。

松島:マネジメント教育ですね。

山本:そうです。それをやらない限りは、いつまでもひとりでやらなければいけなくなってしまう。できるだけ早く、右腕・左腕になるような人をつくらなければいけないわけでしょ? 多分、珠(たま)はいると思うんです。これは磨けば良くなるぞ――という面白い人材は。それを次の段階へステップアップさせていくにはどうしたらいいか、また今後の発展計画に合せて、どこからどういう人を引っ張ってくるかとか、そういったことを明確にできないと、いつか人材の面で厳しい局面を迎えるかもしれません。

松島:まったく同じ意見です。自分がこの2~3年でやっていかなきゃいけないと思っているのは、マネジメントチームの再編と強化だと思っています。それから、「人」(人材)の話が出たんですが、人々の間で脈々と語り継がれていくDNAというのも大事だと思っています。私は経営というのは仕組みというか、プロセスだと思っているんです。会社のDNAからはじまって、システム、そのプロセス、それらに人が乗ってくるという構造をつくらない限り、人頼みでは会社はやはり大きくはならないんだろうなと思っているんです。
その点で僕がすごく参考になると思っているのが、トヨタです。トヨタでは絶対に過剰にモノが作れないようになっている。これはすごく重要だと思うんです。経営者が代わっても、そういうイズムが脈々と続いていかなければいけない。特に僕らは先ほど山本さんも仰ったように「人」が命の会社で、何か物を作っているわけではないんです。そういう会社が、人頼みにならずに脈々と続いていくというのは、どういうことなのか? すごい大きな命題を自分は抱えていると思っています。
サービス業なので、まずは徹底した原価管理から、とも考えています。自分が創業した際につくったその仕組みは、組織が大きくなって運用が難しくなってきていたので、すべてをウエブに移行して見られるようにしました。毎日計画が見直されて、毎日洗い替えされた最新の情報が見られるような経営管理システムです。そのシステムの運用ルールを守らせて、かつイノベーションも常に起こさせていくという、人中心の経営っていったい何なんだろうと、ここのところいつも考えています。

山本:それはもう宗教のようなものでしょう。松島さん(経営者)がそう信じているのなら、その考えなりやり方をマントラのように唱えていくしかない。本社でも各センターでも、どこでもそれを唱え続けていくしかないでしょう。

松島:そういう意味で伊藤さんに聞きたいのは、あのトヨタの生産システムって、ちょっと考えられない型破りなやり方だったと思うんです。当時主流だったT型フォードの大量生産方式では、大量に作れば作るほど設備の原価が低減するという当たりまえの経済原則に則っていたわけですよね。それに対して「必要な分だけ、必要なときにつくる」なんてことをすればコストが高くなるだけなのは目に見えている。そんなある意味真逆な考え方を、大野さんが唱えて、協力会社まで含め全社に徹底させたという、その風景は、どんなふうだったのか? それは実際に見た者じゃないとわかりませんから。

伊藤:大量生産とは真逆の発想なんですが、そのほうが得だと。ただし、今までどおりやっていたんじゃ意味がないから、すぐに、それまで半日かかっていた作業を1時間でやるように改善して、それができたら今度はそれを10分に縮められる――というような改善をやった。それを段取り良くやれるようになると、汗水流さなくとも、同じことが再現できるようになるというのが不思議なところですよね。

松島:それをどうやったらやらせることができたのか、そのプロセスが知りたいんです。

伊藤:それはもう、大野さんからのお触れが出れば、バッとやらざるを得ない。

上杉:経営者の信じる方向や、やり方にいかに皆がついていって道を切り拓けるか。やっぱり最後は山本さんが仰った、宗教のようなところもあるかもしれないですね。

(メンバー構成、所属、年齢は2014年4月当時のものです)